白汀高校の廊下の壁面にかけられた掲示板に、大勢の生徒達が群がった。
「すげぇ、丸見えじゃねぇか」
「畜生、顔が見えねぇ。誰だ、この女?」
興奮気味に語り合う男子生徒。
そこに現れたのは白汀高校一の美貌の女教師、女鹿冴子。いつものようにヒールの高いロングブーツを履き、モデルのように優雅に廊下を歩いてきた。騒ぎが見て掲示板に歩み寄る。
「何を見ているの?」生徒達をかき分けて、掲示板の前に出る。
「あっ!」掲示板をみた女鹿の口から叫び声が上がる。
いつも沈着冷静で動揺を見せることのない女教師の顔に驚愕の表情浮かぶ。
掲示板には裸の女が映された何枚かの写真が貼られていた。
一枚目の写真には男に組み伏せられた女が写っていた。女は両脚を包んでいる黒革のロングブーツ以外は全裸だった。
次の写真ではやはり裸の女が大の字で地面に倒れており、その下腹部は隠すものもなくあからさまに露出している。
また衣服が切り裂かれ胸が露わになっているものや、顔のアップの写真もあった。
どの写真も顔の部分は切り取られているか、目から上の部分は写っておらず、写真の女が誰かはわからないようになっていた。
しかし女鹿には、瞬時に写真に写っているのは自分だと言うことがわかった。男に強引に割り込まれ、写真の女の揺れている両脚を包んでいるロングブーツは、正に女鹿が今履いているものであった。
(これはあたしが林の中で輪姦された時の・・・でもいったい誰が・・・)
先日、チンピラ達に拉致され、林の中で裸に剥かれて輪姦された時の一部始終がそこには写っていた。まだ記憶にも生々しい屈辱の時間が女鹿の脳裏に甦る。
のしかかる男の体の重さ。
無理矢理差し込まれた肉竿の堅さ。
乳房に食い込む爪、荒々しく乳首に吸い付く唇。
ウジ虫のよう柔肌を這いずりまわる、舌先のおぞましい感覚。
胸を流れ落ちる、野獣達の涎とその乾いた悪臭。
そして女鹿の中で爆発した男達の欲望の飛沫が飛び散るあの瞬間・・・ 下腹部に甦る感触に思わず両脚をすくめる。
苦々しい敗北を思い出している女鹿の耳に生徒たちの興奮した声が飛び込んでくる。
「すげぇ、本当に挿入っているぜ、これ!」
「この写真なんて股間が丸見えじゃん!」
「あー、もうちょっとで顔が見えそうなんだけどな」
「いいオッパイしてんな、この女」
「俺にもやらせてくれぇっ!」
口々に勝手なことを言う生徒達。まさか写真に写っている女が直ぐ隣に立っているとも気がつかずに。
(いったい誰がこの写真を・・・)」 全裸ブーツという屈辱の醜態で、男達に好きなようにいたぶられている姿を生徒達の目前に晒され剛胆な女鹿もさすがに凍り付いたように立ち尽くす。
しかし、ショックを受けていたのも束の間、下劣な侮辱に対して怒りが燃え上がる。
「純一?教師の誰かの仕業?いずれにしても、この程度であたしを潰せると思ったら大間違いよ!あたしは女鹿!教師女鹿よ!潰せるものなら潰してごらん!」 web拍手 by FC2